俳句2月号

俳句
2010年1月25日発売 特別定価:990円(税込5%) デザイン=赤崎正一/写真=大底善人

今月の内容

特集

うまい人は句帖がちがう

手帖拝見!

特別インタビュー・金子兜太
戦時中の句会録発見! 兜太流・俳句整理法

■先人たちの俳句手帖
「石田波郷」……石田修大
「大野林火」……恩田侑布子
「藤田湘子」……小川軽舟

■私の句帖活用法
西村和子・小島 健・相子智恵

入門特集

節分を詠む

岬 雪夫・澤井洋子・冨田正吉・山田貴世・伊東 肇・岩永佐保

小特集

《角川平成俳句叢書》

●小笠原和男句集『年月』

・新作12句/私の来た道/自選20句抄……小笠原和男
・小笠原和男小論……橋本榮治
・一句鑑賞……松本 旭・綾部仁喜・吉田汀史・池田澄子・矢島渚男・中原道夫・林なつを

●本井 英句集『八月』

・新作12句/私の来た道/自選20句抄……本井 英
・本井 英小論……深見けん二
・一句鑑賞……依田明倫・斎藤夏風・宮坂静生・大石悦子・栗林圭魚・今井 聖・藤永貴之

充実の作品欄と好評連載!

作品

特別作品50句……高橋睦郎

特別作品21句……伊藤通明・辻 桃子

行方克巳・岩淵喜代子・下村梅子・水原春郎・原 和子・岡部義男ほか多数

好評連載

●江戸俳諧の黄金時代……伊藤善隆
●一億人の「切れ」入門 「俳句は前後で切れる」……長谷川 櫂
●伝えたい季語 変化する歳時記……片山由美子
●子規の内なる江戸 「子規の句会」……井上泰至
●現代俳句の挑戦 「若手作家から見える『今』」……高柳克弘
●俳句月評……小林貴子
●角川俳句通信講座 添削例公開コーナー

「合評鼎談」……今月のテーマは《湧き出す言葉を書きとめる》メンバーは今瀬剛一・岸本尚毅・山西雅子。

読者投句欄「平成俳壇」……10選者の共通選

今月のトピックス

作句の現場 鈴木鷹夫

今月は東京都足立区にある鈴木鷹夫さんの自宅を訪れました。鈴木さんは「鶴」同人を経て、石田波郷没後、「沖」入会。能村登四郎に師事し、昭和62年「門」創刊主宰。「感動がなければ俳句はできない」と語る鈴木さん。本や大好きな落語で、内面を豊かにする時間を大切にしているそうです。

特集 うまい人は句帖がちがう

今月の特集では俳人たちの句帖を拝見!戦時中に行われていた金子兜太氏主宰の句会録をもとに、兜太氏に当時の思い出や自身の句作の秘訣を語っていただきました。また「先人たちの俳句手帖」では石田波郷・大野林火・藤田湘子の句帖を写真とともに紹介。現在活躍中の俳人たちの句帖活用法も必見です。

付録 俳句手帖「春」

四季別にリニューアルした別冊付録「季寄せを兼ねた俳句手帖」。今回は「春」版で、全例句を入れ替えました。大きな文字の「季寄せ」が使いやすいと好評です。その他、月齢や忌日入りの便利なカレンダーやコラム(季語の豆知識)、和暦・西暦・年齢対照表付きです。

今月の季語10

2月の季語

俳句の季節はもう春ですが、
いちだんと寒さの厳しくなる2月。
春の訪れを待ちわびながら、一句詠んでみませんか。

  • 節分
    節分やピアノの裏といふ聖域   佐藤郁良
  • 立春
    春立つも傘寿と米寿のあはひの身 大橋敦子
  • 雪解
    風すぢは太宰の里へ雪解川    新谷ひろし
  • 薄氷
    薄氷を同じ子がとぶ壊さずに   五十嵐研三
  • 初午
    巻紙のごと雲ながれ一の午    友岡子郷
  • 野焼く
    野を焼きし男湯呑に酒を注ぐ   小澤實
  • 猫の恋
    しろがねの水を飲んでは猫の恋  櫂未知子
  • 白魚
    二つ眼で生きて白魚透けにけり  山上樹実雄
  • 片栗の花
    かたくりの花の四五日遠出せず  西嶋あさ子
  • 若布
    一斉に若布を干して島日和    星野椿

俳句 2月号

俳句 2月号
【発売日】
2010年1月25日発売
【特別定価】
990円(税込5%)
【編集長】
河合 誠

コラム

編集長だより

11月22日(日)、三重県伊賀市の上野フレックスホテルで、「山繭」創刊30周年・350号記念祝賀会が行われました。
祝賀会の模様は、小誌2月号の「俳壇ヘッドライン」に書きましたので、そちらをご覧ください。
写真は、翌日行われた伊賀焼の窯元での吟行会で。左から加古宗也(「若竹」主宰)、大坪景章(「万象」主宰)、宮田正和(「山繭」主宰)の各氏。お三方の後ろに見えるのが、江戸時代の天保3年(1832年)から昭和40年代(1970年頃)まで使われていたという16連房の登り窯です。16の部屋を焚き上げるのに2〜3週間かかったそうです。煙が斜面を這い上っていく光景が目に浮かんで来るようです。この大きさの登り窯で現存しているのは日本でここだけとのこと。
記念に伊賀焼の湯飲み茶碗を購入し、いまも愛用しています。



12月23日(祝)、東京千代田区アルカディア市ヶ谷で『新撰21』竟宴シンポジウムが行われました。
『新撰21』は、40歳以下の俳人21人の100句と作家小論、小澤實氏、筑紫磐井氏、対馬康子氏、高山れおな氏の合評座談会を収録したアンソロジーです。その刊行を記念して、執筆者と編者によるシンポジウムが行われたので、他社の本ではありますが、勇気を振り絞り(?)参加してきました。
入集俳人および収録句の一部については、高柳克弘氏が小誌2月号の「現代俳句の挑戦」で触れておりますので、ご一読いただけると幸いです。
シンポジウムでは、時間の制約があるなか、パネリストたちが真剣に自身の俳句や俳句観を語り、同世代の考えを聞こうとする姿勢が伝わり、好感が持てました。シンポジウムを不毛とみなす向きもあるようですが、今回はその限りではないと思います。ただ文芸には、不毛に見える時間が作家の内省化をうながすという側面もあるかと思います。
また、この世代も含めた若手俳人たちが「角川俳句賞」を目標に合宿句会を行っていると聞き、嬉しく思いました。俳句に向き合う時間をどんな形であれ多く持ち、そして持続することが、俳句の発展に寄与すると思うからです。
写真は、懇親会にて。左から関悦史、冨田拓也、西村我尼吾、榮猿丸の各氏。
入集した21人および小論執筆の21人のなかから1人でも平成無風時代を終わらせる俳人・論客が現れて、活躍をしてくれることを期待しています。