女性俳句

──近世から明治大正まで
近世の女流俳人、高浜虚子提唱の婦人句会など、女性俳句出発のドラマ。

〔掲載俳人(近世から明治23年生まれ)〕
元禄期の女性俳人、捨女、園女、秋色、
千代女、諸九尼、星布、菊舎尼、多代女、
明治開化期の女性俳人、中川富女、本田あふひ、
金子せん女、久保より江、渡辺つゆ女、籾山梓雪、
スコット沼蘋女、岡崎莉花女、阿部みどり女、
竹下しづの女、長谷川かな女、玉木愛子、
室積波那女、松尾静子、杉田久女

ISBN:978-4-04-621161-3

句集『月下美人』より。季語は「春を待つ」で冬。
作者91歳の作。
この句集により92歳の最高齢で蛇笏賞を受賞。
みどり女は逆縁など多くの辛酸をなめつつも、
晩年まで瑞々しい感受性を失わず、
女性俳句の一頂点を極めた。
〈九十をいつか越えたりいつか夏〉
〈春めくといふ言の葉をくりかへし〉。

句集『(はやて)』より。季語は「短夜(みじかよ)」で夏。作者33歳の作。二男二女の母親の真情を、万葉仮名を駆使して奔放に詠いあげた代表作。母親失格との男性の非難に対して、しづの女は「瞬時の叫び」と応じた。高浜虚子は〈女手のをゝしき名なり矢筈草〉を句集の序句として贈っている。
〈緑蔭や矢を得ては鳴る白き的〉
〈紅塵を吸うて肉(しし)とす五月鯉〉。

句集『竜胆』より。季語は「羽子板」で新年。作者27歳の作。役者の押絵羽子板に寄せた少女時代の回想句。江戸町人文化の香りが残る日本橋に生まれ育ったかな女らしい情緒ゆたかな代表作。「台所俳句」の実践者で、近代女性俳句の普及に尽くした功績は大きい。
〈西鶴の女みな死ぬ夜の秋〉
〈生涯の影ある秋の天地かな〉。

『杉田久女句集』より。季語は「ほととぎす」で夏。
昭和六年、虚子選の日本新名勝俳句の
応募句約十万三千句より選ばれた代表作。
舞台は修験道三大霊山のひとつ福岡県の英彦(ひこ)山。
久女はひとりで何度もこの山に登り、
大自然とそこに佇む人間の姿を格調高く詠いあげた。「ほしいまゝ」が一句の要。
〈花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ〉
〈風に落つ楊貴妃桜房のまゝ〉。

女性俳句

●近世から現代まで、多様多彩な女性俳句を体系的にまとめた初めてのシリーズです
●鑑賞もまた創作、新たな「読み」に挑戦します
●全六巻150余名の女性俳句を第一線の俳人・歌人が斬新な視点で鑑賞します
●俳句鑑賞は句作上達の近道、作句も骨法を会得できます
●収録俳人の代表句100句を掲載。秀句選集を兼ねます
●「女性俳句年表」を付すなど、女性俳句史の研究に役立ちます
●月報には代表的な俳人・歌人・詩人等が、女性俳句の魅力について寄稿します

本書挿入の愛読者葉書にて未発表作品1句を記載し、ご投句ください。入選者は『俳句』に掲載し、記念品として掲載誌および角川学芸出版特製「俳句手帖」(非売品)を贈呈いたします。またアンケートにご回答いただいた方の中から抽選で1000名様に「俳句手帖」を差し上げます。

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